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2010 05,18 17:34 |
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ジノ+アーニャ。めずらしく砂吐けるレベルに甘いので注意。 『しなやかな露の行方』
血の通った温かいものが、首もとをざらり。通り過ぎる。 私を味見するようにゆっくりと。首筋、頬、鎖骨、胸、腕、あばら、お腹と移動してゆく度に金色の髪と吐息がさらさら触れて、柔らかにこそばゆい感触。髪を掬おうとその頭に手を添えるが、細い金糸は指の隙間からこぼれおちてゆく。まるで私の手に収まるものでないと主張しているみたいで。少し悔しい。 「何してんだ?アーニャ。」 青く透き通った目だけをこちらに向けてジノが聞いてくる。しかし、行為を止める気配はない。ざらりと濡れた身体と震える感情。艶めく跡がまた新たに増える。それは私を溶かそうとする甘い痕。 「別に」 「まあ、なら良いけど。」 白々しい嘘の秘密はきっとバレバレ。 適度に湿ってしまった肌は水を乾かそうとして、蒸気を生むのを止めてはくれない。その熱さにくらくらし始めて、空気を欲しがって口を開こうとする。けれど、うまく取り込めない緊急事態。成長しきっていないことを示すような身体の不便さが恨めしくなる。 「あ…………っん」 ふいにやんわり胸のふくらみの先を噛まれた。身体もそれに合わせて反応する。感覚を鈍くさせるような熱を持って、赤い舌が鋭く心を疼かせる。私の腕を優しく押さえ付けていた骨張ったジノの手から伝わる温度は意外と高かった。熱い。貴方も緊張してるの?それとも肌が触れているところから私の熱さが浸食していったのだろうか。今となってはどっちの身体が熱いのかもう分からない。 「あ。わ、悪い!……痛かった?」 「……ううん。痛くない。」 「嫌だったら言えよ…そりゃ、もう止まんなくなってるけど。」 「本当、は」 ただ どうしようもなく 気怠くて 切なくて 熱い だけ なの と胸の内を一人呟くように吐き出す。 「そっか。俺もあっちい。アーニャは違うのかと思ってた。」 「なぜ?」 「なんだろ、な?」 「しらない。わたしが、し……る、わけない」 こんなことをしでかす貴方のほうが聞くなんて。少し拍子抜け。 知らないフリをし続けたままが私とジノの為なのか、私自身が一番知りたいのに。 「アーニャには、俺って要る?」 「答え。知ってる、くせに。言わなきゃいけない?」 「ああ。お前から言われたことないから、是非聞きたい。」 「……言わない」 「なんで?!」 「ジノから……言って。」 「俺から聞いたのに。」 「言って」 「ええー……」 「俺、もう訳が分からないくらいアーニャが無くちゃならなくて……好きだよ。必要不可欠。」 「仲間とかそんなものじゃなくて……あ、うーん、待て待て。違うな。背中を守りたい。すごい大切にしたい。私の事をできたら、その目で見てて欲しいし。それから、え~と、あー……と、何だっけ?」 「早口。」 「は?」 「後半めちゃくちゃ。途中から一人称私になってる。」 「あ……それはだなぁ~」 「あと、なに言ってるのかわかりづらい。」 「あ・の・な…!」 「なんで焦るの?」 「焦るだろ、普通は!告白してんの。これでもすごい頑張ってんだ。少しくらい俺を褒めろよな!」 「それ褒めないと、不満?」 「いいよ……もういい。悪い。取り乱して」 「よくできました。」 「うん、いや。もうその、それが聞きたい訳じゃないんだよ!」 「わたしも……」 「何か?」 「わたしも好きよ。ジノは必要だから。いる。大切。だから、守りたい。」 「……ずるいよなあ、お前……」 「焦った時点で負け。でも、そんなジノもすきなの。」 「そうだよ。俺だって、そうだ!」 「知ってる。さっき聞いたもの。」 「別に構わないさ。何度も言っても変わんない。俺はアーニャが大好きだ。今直ぐ、出来たら、ちゅーしたい。」 「……急に何、言うの」 「そうは言うけど、アーニャはこういう俺も好きだろう?」 「悪い?」 「悪くない。良いよ、だから――愛してるって言わせてくんない?」 PR |
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